”バンジャール” と言うと、安価で購入できる初心者用の入門魚というイメージが強いと思われますが、

ここまでの色彩と輝きを持つ個体を見たことがありますか!?

本来のバンジャール系、グリーン系の中には、私たちが今まで日本国内で目にしてきた個体とは、
明らかに一線を画す、強烈な金属光沢と鮮やかなエメラルド・グリーンの体色を持つ、美しい個体が存在するのです。

DreamFishファームのオーナー、ニコラス氏は、中でも取り分け美しい個体のみを集めて、
それらの個体を確実に分類を行い、個別の繁殖池に入れて累代繁殖を行うことによって、
通常、市場に出回る個体群のレベルをはるかに超越する個体を作出するに至りました。

とにかく!

細かい能書きはいいです。 美しいと思いませんか!?

このような個体がどのようにして作出されているか。
繁殖池の様子と共に紹介していきたいと思います。






DreamFishファームの、数多くある繁殖池のいくつかを利用してエメラルド・レッドテールの繁殖は行われています。
池の周りには熱帯地域の草木が鬱蒼と生い茂り、限りなく自然に近い環境であると見て取れます。




この日はファームスタッフと共に網で種親を追い込み、池上げ作業に立ち会うことができました。

エメラルド・レッドテールの種親は、過背金龍の池と比べて、ものすごい勢いでジャンプをくり返す様子が印象的でした。
一般的に、バンジャールやグリーンの種は、気性が荒いと言われることが多いですが、
今回の池上げでは、それを象徴するかのような活発な様子が見て取れました。

写真左の方に、網に向かってジャンプする個体がいるのがご覧頂けるでしょうか?
60cm前後の重量級アロワナが、弾丸のように飛んでくる訳ですから、人に激突すると大けがをしかねない、非常に危険な作業でもあります。
過去には、それが原因で亡くなってしまった方もいらっしゃるので、この作業の際には、細心の注意と慣れが必要です。



ファームオーナーのニコラス氏、自らが繁殖池に入り、定期的に採仔と種親のクオリティチェックを行っています。

この日は、別の血統の個体(グリーン)を誤ってこの池に入れてしまうというハプニングが起こり、
普段はスタッフへの気遣いも強く、日本流に言うと ”義理人情” に厚いニコラス氏ですが、
ニコラス氏が 、担当のスタッフを激しく叱責するという場面がありました。
その姿はまさに真剣そのもので、氏の繁殖にかける情熱と真摯な姿勢が印象的でした。

アロワナの繁殖に関しては、一切の妥協を許さないという、氏のプライドを見せつけられました。




この日の池上げの様子の動画を公開!


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まず、強烈な光沢を放つエメラルドグリーンの体色が、目に飛び込んできます!
鱗の中には、ピンク・パープルの馬蹄模様が入ります。




見る角度によって、明るいライトグリーンに見えたり、濃緑のディープグリーンに見えたり、独特の色彩を放ちます。




尾びれ付近の拡大画像です。後方三ヒレが鮮やかな緋オレンジ色に染まります。
ヒレの縁の部分から体に近いところに向かって、緋オレンジ→黄色のグラデーションが入る個体が多く、まるで炎のような発色を見せます。

この赤色は、スーパーレッドの血を取り入れることによって発現したものですが、
スーパーレッドのヒレと比べるとオレンジに近く、鮮やかさはむしろこちらの種の方が強いと思います。

この種の個体が持つ、鱗の独特の金属光沢をご覧になってください。




今回ご紹介の種親個体の動画を公開!


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写真左
光が斜めから入って暗めになるとディープメタリックグリーンに輝きます。
赤色と緑色は反対色で、お互いが相手の色を強め合う効果を持つと言われます。
 その効果もあってか、毒々しいまでのビビッドな発色が、独特の印象を与えてくれます。

写真右
アゴ下から腹部にかけて、黄色発色が見られる個体も見られた。
これは単なる個体差なのか、オス、メスのみに見られる性別によるものなのか、繁殖時の婚姻色なのか等を
今後、ニコラス氏に質問してみたいと思います。
回答が得られましたら、また当サイトでご紹介したいと思います。



太陽光が強めに当たった時の色彩です。ライトグリーンに輝いているのがご覧いただけるでしょう。
とにかく金属光沢が強く、強く光が当たると、鏡面加工したかのような輝きを放ちます。
尻ビレの前のあたりが、白く飛んでハレーションを起こしているのがおわかり頂けるでしょうか










先に紹介した池上げよりも数カ月前に、同池で行われた種親チェックの様子もご紹介致します。

写真上のように、スタッフが網を使って池の端からアロワナを追い込んでいきます。




アゴ下から腹部にかけて、きれいな黄色に染まった個体です。
エラぶたには、レッドアロワナの強い赤発色とまではいかなくとも、褐色の発色が確認できます。
このような発色を見せる個体は、紅龍の血を強く受け継いでいると予測されます。



黒く染まった頭部にも注目です。
頭部がこのような色に染まる時が、体の発色もピークになります。
そのような発色を得るには、水や適切な飼育環境が不可欠です。

飼育レベルの高いマニアの方は、比較的レッドアロワナや過背金龍の飼育を行われている方が多く見られますが、
この血統は、そのようなハイレベルなマニアの方はもちろん、初心者の方でも、
適切な飼育環境を維持することで、このような発色を得ることが可能です。









エメラルド・レッドテールの繁殖池にいっしょに入れてあるスーパーレッド

"エメラルド・レッドテール"という品種は、

特に美しい特徴を持つ個体を繁殖とセレクトをくり返したバンジャール系の親スーパーレッドを交配することによって生み出された血統です。

そのようにして採れた血統個体を、より美しい特徴を持つ個体のみをセレクトした種親のみで累代繁殖を行い、遺伝子の固定化を行います。
このセレクトがシビアであればあるほど、採れてくる個体の美しさを左右します。
ニコラス氏のストイックなまでのセレクト作業により、通常のこの品種のレベルをはるかに超えるレベルの個体を産み出すことが可能になるのです。

日本市場で安物扱いされる、紅龍×グリーン,バンジャール、1.5号紅龍と呼ばれる個体群とは明らかに異なるレベルの特徴を見せます。


スーパーレッドはそれなりのグレードの個体を惜しみなく投入しています。

" エメラルド・レッドテール スプレンダ― " とは

先に紹介した”エメラルドレッドテール”にもう一度スーパーレッドを交配を行うことにより、
理論上スーパーレッドの血が75%以上となる訳ですが、
そのようにして作出される個体が、エメラルド・レッドテール スプレンダーです。

エメラルド・レッドテールの持つ本来の特徴に加えて、エラブタや鱗に紅龍のような褐色の発色を見せる個体で、
その中でも、より美しい特徴を見せるセレクト個体に冠せられる名称です。

通常、市場に出回るバンジャール系個体とは全く次元の違う個体!

とにかく、最終的な判断は、単純な話ですが、”美しいかどうか!”です。

今回、ご紹介したような、”鮮やかなメタリックグリーン・ボディに鮮烈な赤いヒレを持つアロワナ”を、
実際にその目でご覧になられたことがありますか!?




’14.12月輸入分”エメラルド・レッドテール Splendor ”幼魚セレクト個体!


2014年12月輸入分 約16cm個体
4面白板水槽でのストックのため、体色がプラチナカラーに染まっていますが、後方三ヒレはスーパーレッドとほぼ変わらない発色を見せます。